身内が亡くなり、49日が経つまでを「忌中」といいますが、「忌中」の間にお正月を迎える場合、神社への初詣は控えます。
しかし、お正月期間中にどこにも出かけず、喪に服しているのも良いですが、気分転換もかねてどこかへ出かけたくなることもあると思います。
実は、「忌中」期間中は「お寺」への初詣は行っても良いのです。
ただ、お寺での初詣はいつも行っている神社の初詣とは作法が違ったりするので、整理しておきましょう。
ちなみに、初詣といえばおみくじですが、お寺でもおみくじは引けますよ。
喪中で49日前の初詣はお寺だとOK
喪中、49日前(忌中)の違い
まずは、「喪中」と「忌中(49日)」の意味を整理しておきましょう。
家族や親族が亡くなったとき、一定期間、残された遺族の悲しみを癒す期間です。
この期間の間は派手なことやお祝いは控えて静かに過ごす(喪に服す)こととされています。
一般的には命日から1年間です。この期間のことを「喪中」と呼びます。
一方、「忌(いみ)」とは、死を畏(おそ)れ、忌(い)み憚(はばか)るという意味ということなのですが、
簡単に言うと、死という「穢(けが)れ」がある間は派手なことを控えて、故人のために祈り、「穢(けが)れ」を「祓(はら)う」期間です。この期間は「穢(けが)れ」を外部に持ち出さないように外部との接触を避けたり、神事に携わらないようにします。
喪中で49日前の初詣はお寺に行ける
神社への初詣での参拝は49日の忌中はダメです。
神社の神道では死というものを不浄のものとみなし、避けるという考え方をしています。
なので、家族や親族を亡くした方は、死の穢れを直接受けているため、神様が祀られている神社に
穢れを持ち込むことは嫌うため、神社への初詣はできません。
一方、お寺の場合は忌中であっても参拝することには何ら問題はありません。
お寺の仏教は神道と違って、死を穢れとは考えないためです。
お葬式はお寺で行いますし、初七日法要や四十九日法要もお寺の住職に相談します。
お寺での初詣の作法は?
神社は「神様」、お寺は「仏様」がいらっしゃる場所なので、初詣での参拝の仕方も似ていますが、違うところもあります。
まわりに合わせてオドオドと参拝しなくても済みますので、
お寺での初詣の参拝方法のポイント押さえておきましょう。
お寺では手は打たずに一礼する
まず、お寺の正面の門(山門といいます)の前で一礼をしてからお寺に入ります。
このとき、敷居を踏まずにまたぎます。
手水舎での手の清め方は、神社の時と同じです。
手水の作法は以下です。
・ひしゃくを左手に持ちかえて、右手をすすぎます。
・ひしゃくを右手に持ちかえ、左手にひしゃくから水を受け口をすすぎます。(ひしゃくに口をつけません)
・もう一度左手をすすぎます。
・最後にひしゃくを立てひしゃくの柄を流し元の位置に置きます。
最初にひしゃくですくった水で上記をやり終えなければならないので、すすぎのときの水の量は少しにしましょう。
でないと、後半持ちません。
もし、お線香があれば買ってから、線香を点けて、その煙を浴びて身を清めます。
お線香がなく、「香閣」から煙が立ち上っていたら、その煙を浴びます。
煙は身体の痛い部分や、具合の悪い箇所に当てるとよいとされています。
そしていよいよ本堂での参拝です。
決して手を打ってはいけません。
・鰐口(わにぐち)のような鳴らしものがあれば1回鳴らします。
・【ここが神社と一番違う点】
手を合わせて合掌します。
神様にお願いごとではなく、仏様に日ごろの感謝を伝えます。
・一礼をして終了です。
帰りは、行きと同じように、山門の前で一礼をして、敷居を踏まずにまたいで外へ出ます。
おみくじやお守りの授与は本堂での参拝が終わった後にしましょう。
初詣はお寺でもおみくじを引ける!
私は初詣の最大の!?楽しみは「おみくじ」です。
毎年「大吉」を引くことを願って引きます。大吉はめったに出ないですね。
お寺でも初詣でおみくじはやっていますので、おみくじ目当ての方でも楽しめます。
おみくじは神社とお寺とで違いは特にないので、いつも神社でおみくじを引いている要領でOKです。
細かい違いとしては、おみくじにはありがたいお言葉が掛かれていますが、神社では「和歌」が、お寺では「漢詩」で書かれています。
引いたおみくじは木の枝には結ばず持ち帰りましょう。
神社、お寺ともに同じですが、実は引いたおみくじを木の枝に結び付けるのはタブーとされています。
木に結ぶことで願いも結ばれる(成就する)という縁起担ぎで広まったようですが、
神社やお寺の大切な神木を痛めることにもなるので、持ち帰って教訓としましょう。
もし「凶」が出た場合は、木の枝ではなく、境内におみくじを結ぶ専用の場所が用意されているはずなので、
そこに結んで仏様にご加護をお願いしましょう。
四十九日前(忌中)の初詣についてまとめ
家族や親族が亡くなって四十九日前(忌中)の間はお寺であれば初詣に行っても問題はありません。
お寺での初詣の参拝は神社の時とは作法が違うところもあるので、
事前に予習してから参拝しましょう。
お寺と神社での参拝方法の最も違うところは、お寺では「手は打たないこと」です。
お寺では静かに手を合わせて合掌します。
また、神社のように神様にお願い事をするのではなく、仏様に日ごろの感謝をするようにしましょう。
感謝ついでにお願い事をするのは良いと思います。
お守りやおみくじは神社とお寺ではほぼ同じです。
おみくじは木の枝には結び付けず、持ち帰って教訓にしましょう。
「凶」が出た場合は、お寺の指定された場所におみくじを結び付けましょう。
忌中のときは外出は控えないといけないのですが、
外に出て気分転換をはかりたくもなりますね。
そんな時はお寺に初詣に行って、仏様に亡くなった故人の方に思いを馳せるのもよいのではないでしょうか。
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