春一番の意味や発生条件は?注意するべきこと3つ

強風 生活

春一番って冬から春に切り替わる時期に強い風が吹く日のことというぼんやりとしたイメージがあります。
ニュースでよく、「今日は春一番が吹きました」といって後から知ることが多いのですが、
春一番の定義を知っておくことで、天気予報を見ていると「明日は春一番が吹くかな?」と予測できるようになります。

春一番が吹く強風は危険もあるので、十分注意する日でもあります。
どういったことに注意するべきかここで知っておきましょう。

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春一番の意味はや由来は?

まず春一番の定義ですが

・季節が冬から春へと変わる時期に、初めて暖かい南寄りの強い風が吹く日

と定義されています。

ただし、春一番は北日本(北海道と東北)と、沖縄は除かれます。これらの地域に春一番は吹きません。

春一番が吹いた日は南風なので気温が上昇するが、翌日は南風も弱くなり寒さが戻りやすくなります
ちなみにこの寒さが戻る日のことを「寒の戻り」といいます。

春一番の由来は、諸説ありますが、1859年3月17日に長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現・壱岐市)の漁師が海に出て行ったが、
強風で船が転覆して死者53人を出す事故が発生しました。
それ以来漁師らがこの時期に吹く強い風のことを「春一」や「春一番」と呼ぶようになりました。

郷ノ浦町を訪れた民俗学者が「春一番」という語を紹介し、新聞で取り上げられるようになって一般に広がったとされています。

春一番の発生条件はちょっとややこしい

春一番の具体的な発生条件はちょっとややこしいので順を追ってみていきましょう。

まず、春一番は気象庁が基本とする条件が定めていますが、各地方気象台によって個別事情を考慮して
各地方気象台によって発表されます。
※気象庁が定義している春一番の条件=関東地方となります。

気象庁が定義している春一番の定義をみていきましょう。

立春(りっしゅん)~春分(春分)

2月4日ごろの立春(りっしゅん)から3月21日の春分(しゅんぶん)までの間しか春一番は吹きません。
この期間を外れてもただの強風扱いになります。

節分の豆まきが終わってから、いつ春一番が吹くかな~と意識し始めましょう。
そして終わりは春分の日の祝日までとなります。

期間が定められているので、年によっては春一番が吹かない場合もあります。

2019年から過去10年の関東地方の春一番の発表日です。

2019年:3月9日
2018年:3月1日
2017年:2月17日
2016年:2月14日
2015年:発生せず
2014年:3月18日
2013年:3月1日
2012年:発生せず
2011年:2月25日
2010年:2月25日

今までの観測で、一番早かったのは1988年の2月5日で、
一番遅かったのは1972年の3月20日です。

日本海に低気圧がある

発達した低気圧が日本海を通ると、北にある低気圧に向かって、南から風が吹き込むことになります。
日本海にある低気圧が発達すればするほど風が吹き込む威力も増すことになり強風になります。

強い南風が吹き、気温が上がる

上記の2つの条件を満たしたうえで、東京で以下を観測すれば「春一番が吹いた!」となります。

・最大風速が8.0メートル以上
・風向きが西南西~南~東南東の範囲
・前日よりも気温が高い

春一番で注意すべきこと3つ

春一番が吹く日は暖かかいので気分も陽気になりがちですが、
注意しないといけないこともあります。

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火災・雪崩・しけ、強風に注意!

冬は空気が乾燥しています。そこに強い風が吹くので、小さな火が飛ばされて燃え移りやすくなり、
一旦燃えてしまうと乾燥しているので燃え広がるスピードも速く、大火災につながってしまう恐れがあります。
バーベキューの日や屋外でのたばこの火は十分に注意しましょう。
春一番が吹きそうとなれば、できればバーベキューは止めておいた方がよいですね。

春一番が吹くと気温が上昇し、しかも強風になるので、雪山では雪崩が起きやすくなります。
雪山登山や、スキー・スノボに行こうと計画していた場合は注意が必要です。

強風で海がしけて船が転覆したり、突風で海へ転落する危険があるので、
海や川での釣りは注意しましょう。
特にこの時期は関東や関西で船釣りが盛んになるので、注意が必要です。
ライフジャケットは必ず着用しましょう。

春一番の風の強さは台風の時の風の強さ程ではありませんが、
網戸や植木鉢が飛ばされたりといったこともあり得ますので、台風対策を参考に家の強風対策を行いましょう。

花粉や黄砂アレルギーがひどくなる

春一番の強風によってスギ花粉がとても舞いやすくなり、花粉アレルギーの方にとっては
症状がひどくなる恐れがあります。
また、花粉だけでなく黄砂もこの時期に飛んでいるので黄砂によるアレルギー症状も出る恐れがあります。

マスクをしたり花粉用メガネを装着したりしましょう。
アレルギー薬も飲むのも忘れずに。

翌日は防寒対策を!

春一番が吹いた日は日本海に低気圧があることが条件ですが、
その低気圧が日本海を通過した翌日は、西高東低のいわゆる「冬型の気圧配置」になり、一気に寒くなります。

温かくなったなぁと油断は禁物です。春一番の吹いた日の翌日は真冬の恰好をしましょう。

春一番の意味や条件、注意点のまとめ

春一番は冬から春に切り替わる時期に吹く南の強い風のことです。

節分の豆まきが終わった後から春一番が吹くか意識しておきましょう。
春一番の基本定義は以下をすべて満たす日です。

・立春(りっしゅん)~春分(春分)
・日本海に低気圧がある
・強い南風が吹き、気温が上がる

春一番の日は風が強くなるので以下の点に注意しましょう。

・火災・雪崩・しけ、強風
・花粉や黄砂アレルギー
・翌日は寒くなるので防寒対策

「春一番」という言葉だと、春の陽気が最初にやってきたと浮かれてしまいそうですが、
由来は悲しい船の転覆事故です。
事故の教訓としてこの時期に南風が強い日を「春一番」と呼び、注意すべき日です。

私たちも先人の知恵を普段の生活に置き換えて、浮かれることなくむしろ注意して生活を送るようにしましょう。

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